相続:限定承認を行う3つのケース

税理士コラム:税 相続 相続税 相続放棄

相続が発生すると、相続人はその相続を承認するのか、それとも相続を放棄するのかという選択に迫られます。

本来「個人主義」の観点を強調すると、相続というのはとても例外的な性質のものになります。したがって、得にならないと判断するならば、相続を放棄しても何ら責められることはありません。得になるならば、相続を承認すればよいのです。でも場合によっては、得なのか損なのか微妙なケースもあるのではないでしょうか。そんなときは。限定承認をお勧めします。

限定承認するケース①

不動産や金融資産が判明しても、被相続人(故人)が抱えている債務が不明な場合があります。個人事業主として商売を手広くされていたようなケースでは、債務の全容を簡単に掴めないこともあり得ます。会社を経営しているような場合でも、抱えている債務が多方面にわたっているような場合に、その負債の全貌判明に苦労するケースが少なからずあります。

そういうケースで安易に相続を承認してしまうと、元々の個人資産まですべてが吹き飛ぶ可能性があります。それ以上に負債を抱え込んでしまうかもしれません。

このような場合にこそ都合よく使えるのが、限定承認です。限定承認とは、相続財産で債務の弁済等を行った上で、残余財産があれば相続しますというものです。つまり債務過多となり借金ばかりならば、相続しませんよと堂々と宣言できるのです。

限定承認するケース②

先祖代々の家業の経営が行き詰っていたような場合、いったん債務をゼロとして再出発を図りたいというケースでは、限定承認は有効かと思われます。

しかし古いなじみの債権者に十分な弁済ができない可能性があるため、その辺りの人間関係の調整には、手間取る可能性が高くなるかと思われます。いっそのこと古い業態を捨て、新たな事業形態に切り替えるつもりぐらいの覚悟が必要かもしれません。

限定承認するケース③

債務超過が明らかではあるが、駅前の一等地を所有しており、その土地だけは手放したくないというような場合は、まさに限定承認すべきパターンになります。それは限定承認には先買権が認められるため、駅前の一等地を現金で買い取ることが出来るからです。欲しいものだけは手に入れることができるのです。


限定承認を行った方が良いケースかどうかは、専門家と相談し確認された方が確実ですので、事前に相談を希望される方は税理士紹介タックスナイトまでご相談ください。相続に強い税理士事務所をご紹介させていただきます。

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