アパレル業界に強い税理士紹介
棚卸や在庫管理にも強いアパレル関係に特化した税理士をご紹介いたします。
アパレル業における税務のポイント
アパレル業における税務のポイントと、税金に関する注意点についてご紹介します。
アパレル業の税務のポイント
アパレル業における税務で最も重要になってくるのがやはり在庫です。
アパレルのような販売業に関しては在庫はつきものにはなってきますが、アパレル業での事業をおこなっていくうえでは、季節性というものも大切なポイントとなってきます。
季節に合わせたアイテムを仕入れて、その季節のうちに在庫を処理するというのがアパレル業のポイントです。
しかしながら、この流れで事業がいつも上手くいくとは限りません。確かに、アパレル業では在庫をある程度、確保しておくというのは大切なのですが、通常の季節性とは異なる気候変動などのトラブルが発生したりしてしまうと、商品の販売が上手くいかず在庫が大量に売れ残ってしまうというリスクも発生します。
そして、在庫を抱えているということは当然、仕入れをしているということにもなります。
仕入れをしているということは、それだけ税金も発生しているということです。
つまり、アパレル業においては在庫のバランスを考えて、どれだけ経費にまわすことができるかで節税をすることができるかが変わってきます。
アパレル業で必要となる税金
アパレル業と税金は結びつけるのがなかなか難しく、把握しにくいかと思いますが必要となる税金は存在しています。
アパレル業において必要となってくる税金について詳しく見ていきましょう。
所得税
所得税に関しては、1年間のうち得た利益に対して支払う税金になります。
こちらの所得税に関しては、アパレル業でもその他の業種の個人事業主の形態と変わりません。
また、アパレル業における所得税は収入が増えれば増えるほど所得税も増加する累進課税制度が採用されています。
個人事業税
個人事業税は、約290万円以上の所得に対してかかってくる税金になります。
税率に関しては各業種ごとに定められており、アパレル業は物品販売業に該当するので5%になります。
個人住民税
個人住民税は、自身が住んでいる各自治体に対して納税する税金になります。この個人住民税には前年度の課税所得に対して課税される所得割と、所得に関わらず一定の金額が課税される均等割の2つがあります。
消費税
基本的に消費税に関しては1年間の課税売上が約1,000万円を超えるとその約2年後から消費税課税事業者として消費税を納めなければならないようになります。
なお、法人とした場合は法人税や法人事業税などの法人特有の税金も発生してくるので、いかに税金を理解して資金繰りをできるかどうかで節税の度合いも大きく変わってきます。
アパレル業特有の税金
こちらでは、アパレル業特有の税金について詳しく見ていきます。
在庫税
在庫税という税金は、アパレル業に関わっていなければ知ることがない種類の税金であるかと思います。
在庫税は抱えている在庫に対して課税されるという物品販売業特有の税金になります。
在庫に対して課税されるということで驚かれる方も多いかと思いますが、アパレル業においては在庫税が非常にポイントとなってきます。
そして、在庫税は法人税とも密接な関係にあります。
税金の法律上、前年度よりも在庫量が増加すると法人税などの課税も増えることになります。
これはなぜかというと、在庫に関しては現在は抱えているだけであっても将来的には必ず、現金化して収益となる換金資産だからです。
そのため、こちらの在庫税に関しては冒頭の税務のポイントでもお話した通り、在庫バランスをいかに上手く保つことができるかどうかが節税のポイントとなってくるのです。
アパレル業の経理処理のポイント
前述までのお話でアパレル業特有の珍しい税金が存在していることがお分かり頂けたかと思います。
アパレル業において経理処理をおこなっていくうえでは、どのようなことがポイントとなってくるのでしょうか。
物流コスト
冒頭でもお話しましたが現在は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、インターネット上のネットショップで洋服を購入することが一般的ものになりつつあります。
そのため、アパレル業での経理処理においては物流コストが重要な課題となってきます。
インターネット上で商品を販売するとなると実店舗での販売と比べると当然、商品の梱包や発送にコストがかかってきます。
物流コストがかかってしまえばしまうほど、商品自体の価格をアップせざるを得なくなり、ユーザー離れにもつながってきます。
しかしながら、物流コストがかかってしまうのはアパレル業では仕方がないことです。
商品に合わせてその都度、丁寧な梱包をしていかなければならないため、コストは発生する前提で経理をおこなっていく必要があります。
あとは、いかに在庫をしっかりと管理して出来る限り、物流コストを抑えることができるかどうかが経理処理のポイントとなります。
開業(開店時)の注意点
ここまではアパレル業における税金や経理処理のポイントなどについて見てきました。
それでは実際に、アパレル業を開業する時に注意しなければならない点はあるのでしょうか。
最初から在庫を抱えすぎない
開業当初から在庫を抱えすぎてしまうと、事業をスタートした時点から経営難になってしまう可能性があります。
何度もお話に出ていますが、シーズンごとに流行が存在するアパレル業では変化が激しく、洋服のデザインも常に変わっていきます。
そのため、流行を予測するのは非常に難しく、それでいて在庫を抱えてしまうと売れ残ってしまい収益が出ないこともあります。
在庫を抱えてしまうということは当然、それらを保管しておくための倉庫なども必要になり、在庫保管が長期になればなるほどコストもかかります。
そのため、アパレル業を自身で事業としておこなう場合は出来る限り、受注生産とするというのがおすすめとなります。
ネットショップ開業の検討
前述でもお話している通り現在、アパレル業においてはネットショップが主流です。
こちらについては在庫を抱えず、コストを削減するということにもつながってきます。
そのため、アパレル業を開業する際まずはネットショップでの開業を検討してみることをおすすめします。
そもそも実店舗がなければその時点で大きなコスト削減になります。さらに、ネットショップであれば特別な手続きもなく誰でも簡単に開設することができるので、開業当初はネットショップ開設を検討してみるといいでしょう。
ターゲットを明確にする
アパレル業を開業する際に注意しなければならないのが、ターゲットを明確にするということになります。
ネットショップでの販売をおこなう可能性があるのであればなおさら、ターゲットの幅を広げたほうがいいのではないかと考える方もいるでしょう。
しかし、万人受けする商品ラインナップというのは既に大手アパレル企業にておこなっていることが多いので、新規参入した場合には太刀打ちできません。
なのでターゲットの幅を広げるのではなく、ターゲットを明確にしてピンポイントでの販売をおこなうことによって、効率的な集客をおこなうことができるようになります。
アパレル業の税務調査 注意すべきポイント
どのような形態で開業するのかというのも重要なポイントとなってくるアパレル業。 これだけ税金に関して注意しなければならないことが多いと、税務調査についてもきちんと対策しなければならないのではないかと考える方も多いと思います。 こちらでは、アパレル業における税務調査で注意しなければならないポイントについて見ていきます。
在庫管理の徹底
アパレル業における重要なキーワードとも言える在庫。 そんな在庫については税務調査においても最も注意しなければならない要素の1つとなっています。 繰り返しになりますが、ただ在庫を抱えているだけと言っても最終的に在庫は必ず、資産となります。 つまり、現金を抱えている状態となるので税務調査でも厳しくチェックされる項目の1つとなります。 全体の在庫数から洋服の細かな枚数まで、計上漏れがないか、ごまかしがないかなど徹底的にチェックされます。 そのため在庫の保管場所から在庫数のチェック、在庫流れにいたるまでしっかりと管理をおこない、漏れや間違いのないように正確に計上して記録をつけておくことが大切です。
人材管理の徹底
こちらについても繰り返しにはなりますが、現在のアパレル業においてはネットショップで事業をおこなうことがほとんどです。 そのため、実店舗と比較すると明らかに人員は少なくて済むので架空人件費の計上には十分に注意しなければなりません。 ネットショップでの運営であるにもかかわらず、実際の人員以上の人件費を架空に計上して税務調査の対象となったというケースも多々あります。 そのため、日々の社員日報やタイムカードなど人員につながる情報の管理は漏れのないようにしっかりとおこなうようにしましょう。
在庫管理の重要性
アパレル業ではどれだけスピーディに効率よく在庫管理を行えるかが重要となります。
管理が手間と感じられることもありますが、綺麗に管理を行うことで未来会計を行うことが出来、先の数字や事業計画が立て易くなります。
アパレル店を経営する上で、「計画的な資金繰り」が大切となります。
仕入れの際に支出が発生しますが、在庫があると現金が回収出来ない為、月次の損益を出来るだけ正確に把握することが重要なポイントとなります。
決算期には在庫評価の方法によって利益、納税額が大きく変わってくるので、在庫管理や損益の把握に強い税理士とお付合いすることが大切です。
チェックポイント
棚卸立会を得意とする公認会計士資格を持った税理士もいます。
棚卸や在庫管理を得意としており、商品数と帳簿の数量との一致の確認や、請求書・納品書の確認、商品の評価の確認など行います。
季節毎に商品は移り変わり、キャリー品が発生した場合にはどのように計上するのかという点も、慣れた税理士に任せると安心です。
『いかに普段から棚卸資産を把握できているか』が非常に大切です。
商品数と帳簿上の数字の整合性や、商品の評価を詳しくチェックすることで、計画的な資金繰りや経営を行っていくことが出来ます。