保険代理店・金融業に強い税理士紹介
特殊な会計処理にも強い税理士をご紹介いたします。
保険代理店業や金融業の特殊な税務
保険代理店、金融業は特殊な会計処理が必要になります。
保険代理店業の税務経験が少ない税理士だと、「保険の契約者から預かる保険料をどう計上処理するのか」、「受け取った保険料は課税か非課税か」、「代理店の手数料は課税対象となるかどうか」といった会計に慣れていなかったりします。
個人事業で経営されている方が多いのも特徴的です。個人事業から法人成するタイミングや、法人化のメリット・デメリットを正確に相談出来るような創業サポートも強い税理士とお付合いすることをおすすめします。
保険代理店の税理士に注意
税理士自身が保険代理店として、積極的に活動している事務所も中にはあります。
そうした事務所では、扱っている保険に合わせた提案を顧問先に行うこともあり、必ずしも適した提案をお客様に出来ていないケースもあるようです。
顧問先への提案がぶつからないように、保険代理店業の顧問先は極力持たないという事務所も中にはあるので注意です。
保険代理店・金融業における税務のポイント
保険代理店・金融業における税務のポイントと、税金に関する注意点についてご紹介します。
保険代理店・金融業の税務のポイント
保険代理店・金融業の税務のポイント
保険代理店などに関しては通常の職種の事業とは違い、すぐに利益が出るものではありません。
保険代理店においては保険の加入者が契約を完了した際にまず、代理店手数料が発生します。
そして、実際の保険の利用料は契約をおこなってから約1ヶ月以上あとに支払いされることが多く、そこで初めて売り上げとして計上されるのです。
つまり、手続きをおこなった時期と実際に売り上げが発生した時期にズレが生じるということなのです。
そのため、税金の申請をおこなう際もこれらの売り上げの計上時期に注意をしていかなければなりません。
保険代理店・金融業で必要となる税金
それでは実際に、保険代理店・金融業において必要となる税金にはどのようなものがあるのか詳しく見ていきましょう。
消費税
消費税に関しては、事業者が消費者から売り上げ等によって預かった消費税から、事業者自身が経費等で支払いをした消費税を差し引いた残りの金額を納税するというものです。
つまり、消費税というのは消費者から預かった分も最終的には事業者が国へ納付するというかたちになります。
個人事業税
保険代理店等を営む場合、こちらは代理業および仲立業に該当するため基本的には、個人事業税の課税対象となります。
個人事業税というのは、各個人が経営する事業において地方税法によって定められた事業に対して課税がおこなわれる税金となっています。
保険代理店・金融業特有の税金
保険代理店・金融業においても消費税など一般的な税金が発生してくることがお分かり頂けたかと思います。
消費税1つとっても少し複雑なものとなっている保険代理店・金融業。保険代理店・金融業特有の税金について詳しく紹介していきます。
消費税における簡易課税制度のみなし仕入れ率
消費税における簡易課税制度のみなし仕入れ率に関しては、他の職種の事業においても存在はしています。
しかし、2014年におこなわれた税制改正にともなって各事業ごとの消費税における簡易課税制度のみなし仕入れ率が区分によって大幅に改定されました。
そもそも、消費税の計算方法には本則課税と簡易課税の2種類の計算方法があります。
本則課税というのは売り上げに対する消費税の金額から、実際におこなわれた仕入れに対する消費税の金額を差し引いて消費税額を算出します。
一方で簡易課税は実際におこなった仕入れに対する消費税の金額は考慮せずに、各事業ごとに定められているみなし仕入れ率を含めて消費税の金額を算出する方法になるのです。
なお、税制改正によって保険代理店・金融業の事業区分は第5種事業となり、みなし仕入れ率は約50%と定められています。
保険代理店・金融業の経理処理のポイント
ここまで見ても、税金に関して少し複雑な仕組みとなっていることが分かります。
保険代理店・金融業において、経理処理をおこなっていくうえではどのようなポイントがあるのでしょうか。
課税・非課税の区分
前述の保険代理店・金融業において必要となってくる税金の項目において、消費税が少し複雑な仕組みをしているということをお話させて頂いたかと思います。
保険代理店等については、各種料金によって課税・非課税の項目が変わってきます。
保険料
保険料というのは万が一、保険加入者に何かあった場合に保険金を受け取るために支払う料金になりますので課税取引の扱いになると考えるかもしれません。
しかし、保険料に関しては特例として非課税の扱いにすると規定されているため非課税取引となります。
保険手数料
保険手数料というのは、実際に保険の契約を結ぶ際に代理店が受け取ることになる手数料を指します。
こちらは保険代理店の売り上げの扱いとなりますので、課税取引となります。
開業時の注意点
ここまでは保険代理店・金融業における税金の仕組みや、経理処理のポイントについて見てきました。
実際に、保険代理店・金融業を開業する時の注意点にはどのようなものがあるのでしょうか。
保険会社からの承認
保険代理店において保険商品を扱うためには、保険会社からの許可を得る必要があります。
なお、保険代理店における許可の流れは下記のようになっています。
- 1.実際に代理店契約を結びたい保険会社に問い合わせ
- 2.保険会社の担当者と事業内容について打ち合わせ
- 3.取り扱う保険商品やインセンティブなど契約内容の細かな設定
- 4.保険会社が事業について審査
最後の審査が合格となると保険会社と業務委託契約を結ぶことができるようになり、その保険会社の保険商品も取り扱うことが可能になります。
この保険会社との契約は保険代理店を開業するうえで必須のものとなりますので必ず、確認をするようにしましょう。
運営体制の確立
保険代理店では人々の生活に関わる保険商品を取り扱うことになるため、店舗における運営体制についてもしっかりと確立しておかなければなりません。
特に注意しなければならないのが、保険代理店にて扱う保険商品によって配置しなければならない人材が変わってくるという点です。
生命保険や損害保険であれば生保一般課程試験の資格を持った方を配置しなければなりませんし、生保専門課程試験保有者が必要な場合もあります。
他にも保険に関してしっかりとした接客をおこなうために、知識やスキルの習得のための教育にも力を入れていくことが大切です。
保険に関するルールの常時チェック
保険代理店・金融業界というのは、どうしても契約者保護の観点から法律やルールが変わりやすい業界になります。
これまでも業界においては頻繁に取り扱い可能な商品の種類や、販売方法に関する法律やルールが何度か変更されているのです。
そのため、今後も法律やルールが改正されて規制が厳しくなったり、保険代理店の運営ルールが変わってくる可能性も十分に考えられます。
急な法律やルールの改正には対応できず、売り上げ自体にも影響を及ぼすことは十分、あり得ますので法律やルールの最新情報は常にこまめにチェックし万が一、改正がおこなわれた場合にもすぐに軌道修正ができるように準備をしておくことが重要です。
保険代理店・金融業の税務調査 注意すべきポイント
保険代理店・金融業においては、やはり開業をおこなう際にもさまざまな項目に配慮しながら準備を進めていかなければなりません。
保険代理店・金融業界では税務調査に関しても厳しくなっていると言われていますが、どのようなポイントに注意すればいいのでしょうか。
実際の収益の計上時期と計上金額
こちらの項目は前述の税務のポイントにてお話したことにもつながってきます。
保険代理店では、一般的な事業のようにかたちある商品を販売してすぐに収益が出るというわけではなく、保険商品というかたちのない商品を販売することになります。
そのため、保険商品の契約をおこなった時期と、実際に収益が確定して売り上げを計上した時期にズレが発生するということになるのです。
このズレに関しても税務調査では細かくチェックされます。そのため、契約時期と売り上げ計上時期についてはしっかりと帳簿等で管理するようにし、ズレを指摘されないよう注意するようにしましょう。
人件費
保険代理店・金融業においては大規模な機材や設備費がかかるということは滅多になく、人件費を占める割合が高くなってきます。
そのため税務調査においては、保険代理店内部の組織体系から社員の履歴書、営業日報など人員の存在を確実に証明する要素の確認が念入りにおこなわれます。
なかには架空の人件費を計上している保険代理店などもあるようなので、税務調査の際に指摘されないよう、しっかりと書類をそろえておくことをおすすめします。
紹介者特典
保険代理店・金融業での税務調査において最も注意しなければならないのが、紹介者特典です。
特に保険代理店では保険加入者からの紹介があり実際に契約が成立した場合には、紹介者に対して謝礼が渡されることになります。
この謝礼に関しては現金相当のものや、物品が渡されることが多いのですが、これらの取り扱いにはより一層の注意が必要なのです。
現金払いなどによって謝礼を渡してしまうと架空交際費や外注費の扱いとなってしまったり、それによって厳しい調査の対象となってしまう可能性があります。
そのため紹介者特典によって謝礼をおこなう場合であっても必ず、契約内容をはっきりさせて記録もしっかりと残しておくようにしましょう。