会計業務を効率化していくために会計ソフトは必要不可欠であると言っても過言ではありません。しかしながら各社がたくさんの会計ソフトをリリースしているために、選択するのが難しいのが現実です。そこで今回は会計ソフトの種類とそれを導入するにあたって、選定に失敗しないためのポイントや注意点などについてご紹介していきたいと思います。
1、会計ソフトの種類
会計ソフトは大別してインストール型とグラウド型があります。
インストール型とはパソコンにソフトウェアをインストールして利用する会計ソフトで、グラウド型とはパソコンにソフトウェアをインストールする必要はなく、会計ベンダー稼働させている会計ソフトにクライアントがweb上でアクセスすることによって利用する形態のことです。インストール型はインストールしたパソコンでしか利用することができないのに対して、グラウド型はパソコンとインターネットがあればどこでも利用することができるメリットがあります。ちなみにグラウド型会計ソフトの普及率は現在のところ10%前後です。
2、会計ソフトのメリット・デメリット
(1)インストール型会計ソフトのメリット
インターネット環境に依存しないため、グラウド型会計ソフトと比較してレスポンスが早
く、またオンラインでも会計業務を行うことができます。
(2)グラウド型会計ソフトのメリット
インターネット環境があればどこでも利用することができ、パソコンの故障や盗難などによるデータの紛失・漏えいのリスクもありません。また金融機関やクレジットカードと連携・取り込みを行い仕訳を提案してくれます。さまざまなサービスと進んでおり、さらに会計ソフトのアップデートは自動で行われ、常に最新の状態で利用することができます。
このようにそれぞれの会計ソフトにはメリットがあるのです。
(3)会計ソフトのデメリット
グラウド型会計ソフトに対しては情報漏えい等セキュリティ面に不安を感じている人がいるのも事実です。しかしながら情報漏えいのリスクはインストール型会計ソフトにもあるわけで、どのようにリスク対策を講じるかが重要になります。
3、具体的な選択について
(1)会社の業務フローを考える
会社によっては、規模・業種・取引形態・従業員の経理スキルなど千差万別であって、一概にこの会計ソフトが良いと断言することはできません。グラウド型会計ソフトはUIがシンプルで、比較的小規模な企業向けに作られていますので、複数の事業部や支店を有しているなど一定規模以上の会社においては却って非効率になってしまう可能性があります。また給与計算や債権債務管理・固定資産管理・在庫管理などの他の業務処理との連携のしやすさ
は大きなポイントになります。
(2)会計ソフトに対して一番重要視するもの
どの会計ソフトでもそうですが、完全に要求を満たす会計ソフトはありません。それぞれの会計ソフトには特徴・メリットデメリットがあり、実際に利用する立場からすれば一つとして同じものはありません。会計ソフトに一番求めるものは何かを最大の眼目として選択することが重要です。シンプルに使いやすいということでも良いのです。実際に利用する従業員が使いにくいものはストレスになりますし効率性も低下します。無料で一定期間使用できるものもありますので、試しに使ってみると良いでしょう。
(3)コストはどのくらいか
インストール型の会計ソフトであれば購入費用だけでランニングコストはかからないと思っているかもしれませんが、バージョンアップや法改正などアップデートが必要な場合がありますので、保守料というランニングコストが通常かかります。一方でグラウド型会計ソフトは初期費用はかかりませんが、毎月使用料が発生します。アップいデートは随時行われており、追加コストが発生することはありません。目先のコストだけではなく、複数年利用することを前提としてトータルでコストがどのくらいかかるのか、あらかじめ計算しておくべきでしょう。
4、まとめ
最近急速にシェアを伸ばしているグラウド型会計ソフトは日々進化し連携サービスも拡大して業務効率化という点では優れています。グラウド型会計ソフトの登場によって会計ソフトの進化にはめざましいものがあります。インストール型会計ソフトとともにますます利便性が高まっていくことが予想されます。会計ソフトは経理業務を効率的に行うこためのツールでありますので、費用対効果が見込まれる最適なものを選択することになるのです。