軽減税率のデメリット
(1)軽減税率の線引きが複雑で難しい
ケータリングは外食に分類されますし、フードコートにあるお店で買って食べれば外食となりますので軽減税率は適用されません。。ケーキ屋さんで買ったケーキも、家に持ち帰れば問題なく軽減税率が適用されますが、ケーキ屋さんのトレーで提供されたケーキをそのまま店内で食べると外食になり、軽減税率は適用されません。ただフードコートでもテイクアウト用のサービス(テイクアウト専用の容器など)があれば軽減税率が適用されます。
また、ケーキ店のイートインでも持ち帰り用の箱に入れられた商品を取り出し、食べるのであれば外食とはならず、軽減税率が適用されます。このように軽減税率の線引き複雑な点がデメリットの一つと言えます。
(2)お金持ちが得をする軽減税率
食費すべて軽減税率の対象とした場合、月5万円を食費にかけられる家庭で1,000円、月10万円を食費にかきけられる家庭で2,000円の「得」になります。つまり、毎月10万円食費を「かけることのできる」お金持ち家庭のほうが、軽減税率の恩恵を受けるわけです。もともと軽減税率は「低所得者の負担を軽減する」ために導入されるはずだったのに、お金持ちが得をするという矛盾した側面があります。
(3)事務的な手間が増大する
軽減税率の対象となる品目を販売するお店については、税率が8%のものと10%のものを分けて計算する必要があり、事務的な手間が増大します。税率や税額を記載するための帳簿の記載や請求書を発行することによる負担は相当大きなものとなるでしょう。
軽減税率制度にはメリット、デメリットがあり、いわば消費税増税の隠れ蓑のような側面があります。いずれにしても今年中に導入される軽減税率制度の内容をできるだけ早い時期から把握しておけば混乱が少なくて済むことでしょう。