![管理会計の導入により部門別の採算を把握できるように [多店舗小売業(福岡県北九州市):年商1億3,000万円]](https://tax-knight.com/wordpress/wp-content/uploads/2025/12/case20250417.jpg)
福岡県北九州市で多店舗展開を行う小売業の企業様より、「全体の売上や利益は把握しているが、店舗ごとの採算が分からず経営判断に迷っている」というご相談をいただきました。店舗数や取扱商品が増え、従来の管理方法では限界を感じていた状況でした。
全体の数字は見えているが、店舗別の実態が分からなかった
地域密着型の小売業として順調に事業を拡大してきました。経営自体は安定しているように見えていましたが、どの店舗が本当に利益を生んでいるのか分からず、次のような状況が続いていました。
- 全社の売上・利益は把握できている
- 店舗別の売上は分かるが、利益までは見えていない
- 人件費や家賃をどう配分すべきか判断できない
- 忙しい店舗と利益が出ている店舗が一致しない
- 新規出店や撤退の判断材料が不足している
店舗数が少ないうちは、「全体で黒字かどうか」が分かれば問題ありませんでしたが、店舗が増えるにつれて「どの店舗に力を入れるべきか」「改善すべき店舗はどこか」といった判断が必要になってきました。
管理会計の仕組みが整っておらず、感覚や経験に頼った判断が続いていましたため、このままでは成長すればするほど経営判断が難しくなると感じ、ご相談に至りました。
管理会計に強い税理士をご紹介し、部門別採算を可視化
多店舗経営における管理会計の導入支援を得意とする税理士事務所をご紹介しました。「正確さ」だけでなく「経営に使える数字」を重視したサポートを行っており、管理体制に関する相談をしっかりと行っていただくことが出来ました。
体制を強化できると感じていただき、税理士事務所で店舗構成や業務内容、費用の発生状況を整理した上で、次のような取り組みを進めることとなりました。
- 店舗別・部門別に管理単位を設定
- 売上・原価・人件費を分けて整理
- 共通費用の配分ルールを明確化
- 店舗別の粗利・営業利益を可視化
- 月次で確認できる管理会計レポートを作成
- 数字の見方や活用方法を経営者と共有
売上が多い店舗と利益を生んでいる店舗の違いを明確に把握できるようになったことで、利益が出ていない店舗の課題が具体的に分かり、人員配置や営業時間の見直しがしやすくなったとお喜びいただきました。
まとめ
多店舗小売業では、売上規模が大きくなるほど、店舗別・部門別の採算管理が重要になります。全体で黒字であっても、内部に課題を抱えているケースは少なくありません。
管理会計の導入に強い税理士事務所が支援を行ったことで、部門別の採算を把握できる体制を構築し、数字に基づいた経営判断が可能になりました。
管理会計は、導入すること自体が目的ではありません。経営に活かせる形で数字を整理することで、多店舗経営でも安定した成長を実現することができます。専門家と連携し、早い段階で体制を整えることが重要です。
