
茨城県水戸市で運送業を営む企業様より、「売上は安定しているものの、毎月の支払いを考えると資金面に漠然とした不安がある」というご相談をいただきました。入出金のタイミングを一覧で把握できておらず、将来どの程度の資金が必要なのか見通せない状況でした。
売上はあるものの、手元資金への不安が消えなかった
法人向けの配送業務を中心に事業を展開し、継続的な取引先もあり毎月一定の売上を確保できていましたが、経営者様は資金面について常に不安を感じていました。
その理由は、「売上があること」と「手元に資金があること」が一致していなかったためです。
次のような状況が続いていました。
- 売上は把握していても入金時期まで整理していない
- 燃料費や外注費の支払いが毎月大きい
- 車両関連のまとまった支出が発生する
- 税金や保険料などの支払い時期に不安を感じる
- 数か月先の預金残高を予測できない
運送業では、燃料費、車両費、修繕費、人件費、外注費など、日常的に多くの支出が発生します。
一方で、取引先によって入金日が異なるため、売上が順調でも入金より先に支払いが発生することがあります。
月末の預金残高を確認して「これだけあれば大丈夫だろう」と判断することが多く、数か月先まで見通した資金管理はできていませんでした。
そのため、車両の修理や買い替えなど予定外の支出が発生すると、「今後の支払いまで問題なく対応できるだろうか」と急に不安になる状態でした。
また、決算上は利益が出ていても、預金残高が思うように増えていないことについても疑問を感じていました。
経営者様からは、「赤字ではないはずなのに、なぜかいつも資金のことが気になる」というお話がありました。
数字を確認しても、その不安の原因を具体的に説明できないことが大きな課題だったのです。
そこで、「資金がいつ入り、いつ出ていくのかを分かるようにしたい」というご希望から、資金繰り支援を得意とする税理士事務所をご紹介しました。
資金繰り表で将来の入出金を整理し、必要な対応が見えるように
中小企業の資金繰り管理や金融機関対応を得意とする税理士事務所をご紹介しました。
この税理士事務所では、現在の預金残高だけを見るのではなく、今後予定されている入出金まで整理し、先を見ながら資金を管理することを重視しています。
ご紹介後、まず毎月の売上や入金時期、固定的に発生する支出を整理しました。
そのうえで、次のような内容を資金繰り表へ反映していきました。
- 取引先ごとの入金予定
- 燃料費や外注費など毎月の支払い
- 給与や社会保険料などの固定的な支出
- 税金など一定時期に発生する支払い
- 車両購入や修繕など予定している支出
- 毎月の資金残高の見込み
資金繰り表を作成したことで、それまで漠然としていた不安の内容が数字として見えるようになりました。
例えば、大きな支払いが重なる月には事前に資金残高が減ることを把握できるため、早い段階から資金を確保できます。
反対に、余裕がある時期についても分かるようになり、車両の更新や設備投資を検討するタイミングを考えやすくなりました。
また、実際の入出金と予定を毎月比較し、差が生じた理由を確認することで、資金繰り表の精度も高めていきました。
資金繰り表によって不安そのものをなくすのではなく、「何が不安なのか」「いつ対応が必要なのか」を数字で把握できるようになったことが、今回の大きな改善につながりました。
まとめ
売上や利益が確保できていても、入金と支払いのタイミングがずれることで、資金繰りに不安を感じることがあります。特に運送業では、燃料費や車両費などの支出も大きいため、現在の預金残高だけではなく、将来の資金の動きを把握することが重要です。
今回の事例では、資金繰り支援に強い税理士事務所をご紹介したことで資金繰り表を作成し、数か月先までの入出金を見通せる体制を整えることができました。
漠然とした経営不安も数字にして整理することで、必要な対策や判断のタイミングが見えやすくなり、余裕を持った資金管理につなげることができます。
