にせ税理士に御用心~決算書や確定申告書に税理士の印鑑ありますか?~

にせ税理士の実態

「にせ税理士」という言葉はあまり聞きなれないかもしれないですが、 税理士会や税務署が「にせ税理士に注意!」と力を入れて警鐘を鳴らしているところです。

引用元:国税のお知らせ|国税庁
税理士でないのに税理士業務を行っている、いわゆるにせ税理士に税理士業務を依頼した場合、不測の損害を受けたり、あとあとまで税務上のトラブルの原因となるおそれもありますので、ご注意ください。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/osirase/9204.htm

「にせ税理士」という言葉ですが、いわゆる税理士の資格がない人のことです。

そして、にせ税理士に税理士として会計や税務を依頼している状態が散見されているという状況です。

税理士以外の人が、税務相談や税務代理、税務書類の作成などを行うことは報酬をもらおうが、もらわまいが関係なく違法です。

税理士紹介タックスナイトでは、多くの税理士の切り替えのお客様とお話ししますが、 必ず前の税理士事務所の名前をお伺いしています。

主な理由は、万が一でも既存の顧問税理士を紹介しないようにということと、 既存の顧問税理士とその解約の理由をデータベースにするためという2点があります。

そしてもう一点、実際にたまにあるのが今回コラムにしました「にせ税理士」を見分けるためです。

これまで税理士紹介タックスナイトであった、にせ税理士のパターンとしては以下のようなものがありました。

  • 元の事務所の有資格者が亡くなって無資格だけで事務所運営している

税理士の平均年齢は60歳を超えていますので全くない事情ではありません。
跡継ぎに税理士がいればいいのですが、有資格者がいない場合もありそのまま運営してるパターンがあります。

  • 会計事務所出身で無資格のまま起業している もっとも多いパターンになります。

会計事務所に3年もいれば通常経理業務をこなすことは問題なくなってくることが原因になりますが、税法の改正についていくことは困難ですしやはり細かいミスが目立ってくるかと思います。また、経営面にまで的確なアドバイスをもらえることは少ないでしょう。

  • 税理士試験は合格しているが登録していない

税理士は税理士試験に合格してから2年間以上の実務経験を経て独立できます。
通常はせっかく受験勉強をして合格した税理士試験なので積極的に行うことは少ないですが、知り合いの会社を副業がてら手伝ってしまうことはないとは言えないかと思います。

  • 経営コンサルティングに決算までやってもらっている

たとえば銀行出身のコンサルタントなどは毎日決算書を見てきた経験があり、融資に強みを持っている方も多く、顧問先の経理や決算書の作成までできる方も少なくはありません。
資金調達を手伝ってもらっているので無下にできないという社長も多いですが、税務調査が来た時に対応することはできないので常にリスクを抱えたまま経営していくことになります。

  • 行政書士などに記帳代行を依頼してそのまま決算までやってもらっている

これもパターンとしては多いです。特に行政書士は顧問契約を結ぶケースが少ないので記帳代行で毎月の売り上げを安定させたい意図があるようです。
しかし、過去のタックスナイトでの事例では、状況は会計事務所経験者に任せているよりも深刻なことが多いです。
自分の確定申告をやっているだけで人の分もできるという認識でやっているのかもしれませんが、税務レベルはもちろん、経理レベルでもミスが多いようでした。

余談ですが、行政書士は会社設立で司法書士と、記帳代行で税理士と職域でぶつかっているところがあります。

会社設立は定款認証までは行政書士で大丈夫なのですが、登記申請業務は司法書士の独占業務です。

そのため、行政書士は登記申請書類はお客様自身に提出してもらうという形で会社設立をおこなっています。

記帳代行に関してはそれ自体違法ではありませんが、申告書を作成することは税理士法に違反します。

にせ税理士には大きく以上のようなパターンがあります。

税務相談や決算業務に関わること自体が「違法」ということが前提ですが、税理士紹介タックスナイトはいくら安くできるからといって、にせ税理士に依頼することは最終的にはマイナス面の方がはるかに大きいと考えています。

まずは税務調査の問題があります。
税務調査には税理士しか立ち会うことができません。悪質性がない場合、通常であれば会社に連絡がいく前に顧問税理士に連絡がいきますが、決算書や確定申告書に税理士の記名捺印がないと直接会社に連絡がいきます。

経理が把握できていないまま税務調査に来られた場合、通常の調査対応でも大変なのに、にせ税理士に決算書を作ってもらっていたと言うことも出来ずさらに対応に困ることになります。

もう一つは資金調達などの金融機関対応です。
お金を借りたいと思って銀行や公庫などに行くと必ず過去の決算書の提出を求められます。

その時に顧問税理士の記名押印がない場合、その信頼性は税理士がいる場合に比べてどうでしょうか。会社にとってキャッシュフローは血液循環とも言われています。万が一の輸血である資金調達で少しでもマイナス要因になることはやめておいた方がよいでしょう。

そして、そもそも経理や税務が不安なら税理士に依頼しましょう。

にせ税理士の報酬や、判断基準について

にせ税理士に依頼していたお客様の毎月の報酬をお伺いすると、ほとんどのケースが税理士紹介タックスナイトで紹介できる税理士の金額より高く支払っていました。

税務調査や資金調達、経理ミスに節税機会の見落としなど、会社経営をしていくうえでデメリットしかありません。

今の税理士がにせ税理士かの判断は、下記を最低限確認してください。

  • 1.税理士証票や税理士バッジをもっているか。
  • 2.税理士登録番号をすぐに言えるか、そしてその番号を検索して出てくるか。
  • 3.決算書に税理士事務所の記名捺印がない。
  • 4.顧問契約書に内容が不自然。
  • 5.顧問料の支払先が税理士事務所でない。
  • 6.税務や会計についての質問に対する応えが遅いなども参考になります。

にせ税理士は違法です。

会社のお金は個人事業主や株式会社に関わらず、必ず信頼できる税理士に依頼してください。

税理士紹介タックスナイトはお客様の要望に応じて顧問料やサービス内容をしっかり交渉しています。

しつこい営業は一切しておりません。今の税理士が怪しいなどの要件でも構いませんのでまずはお気軽にご相談ください。

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