税務調査の実情や対策について
税理士紹介タックスナイトでは税務調査の対策をきっかけにお問い合わせをいただくことが多いのですが、税務調査の事前にお問い合わせいただくケースはほとんどございません。
- 多くの方が、税務署から調査について連絡が来た!
- 急に調査官が会社や自宅に来て税務調査を始めた!
上記のように、税務署側からアクションがあった後のお問い合わせがほとんどです。
実は税務調査が終わってからでも対策は可能です。
知識がないまま税務調査の対応をするのと、そうでない場合では結果が大きく変わってきてしまいます。
税理士紹介タックスナイトにご相談いただく例は様々ございますが、かなりの確率で対応時間や追徴課税などの面で良い結果を残しております。
今回のコラムではそもそも税務調査が入らないようにするにはどうしたら良いか?という点について書いてみようと思います。
今回ご紹介するのが書面添付制度です。
書面添付制度(ショメンテンプセイド)って何?
書面添付制度とは税務申告書を提出する際に、その内容が正しいことを税理士が確認する書類を添付する制度のことで、申告書に記載されている事項が事実に基づく内容であることを税理士が太鼓判を押すものです。
簡単に書くと、決算や確定申告の税務申告書にちゃんとしたものですよと、税理士が書面をもってお墨付きを与える制度です。
別のコラムでも紹介しておりますが、決算書や確定申告に税理士の記名捺印があるかというのとはまた違いますので注意してください。
この書面添付は税務署や金融機関に対して大きな信頼につながる制度ですが、法人税申告書に占める書面添付割合は平成23年度で7.4%となっており、まだ10%にも満たない状況となっています。
制度自体は税理士に対する権利として付与されているものですが、企業にとっては税務調査の回避や負担軽減、資金調達では東京三菱UFJをはじめ、多くのメガバンク、地方銀行、信用金庫などで資金調達の成功率アップ、利率の軽減などに効果があると一般的に言われています。
この書面を添付することで、税務署がわからないことがあれば原則顧問税理士に意見を求めます(意見聴取)。
そして、そこで顧問税理士が回答して疑問がなくなれば税務調査が省略されるということになります。
もし疑問がなくならない場合でも、目的を絞った調査になりますので通常丸2日ほどかかるものも数時間で済むことも多いということです。
メリットは何よりも税務調査がくる確率が大幅に下がることです。
税務調査対策の一例をご紹介
一つの事例として、なぜ税務調査についてしっかり対策した方がいいのかご紹介いたします。
税理士紹介タックスナイトから、税務調査を受けた経営者様に税理士を紹介させていただき、内容は複雑なものでしたが2ヶ月近く書類を求められ続けている会社があります。
会社にとって生命線ともいえる経営者様の貴重な時間の多くが、書類集めや税理士との打ち合わせに費やされてしまってはかなりの損害になってしまいます。
(ちなみにこのお客様は年商7億円で1億円近い追徴課税を言い渡されました。)
「やはり、売上をごまかして脱税してここまで手間のかかる結果になるんだったら次からはちゃんとしたい。5年もさかのぼって延滞税と重加算税は結構きついですね・・・」という言葉が印象的でした。
最近はオークション、アフィリエイトなどのネットビジネスの税務調査も増えていますが同じような感想を持たれる方が本当に多いです。
また、書面添付を100社近く実施している大阪の税理士にお話を聞くと、「ほとんどが意見聴取の段階で省略されていますね。去年だと意見聴取で5件ほど、実際に税務調査が来たのが1件だけでしたね。それも私に言っていなかった1つの取引についてだけだったので1時間ほどで終わりました。」ということでした。
税理士紹介タックスナイトでは、税務調査で無駄な不安や時間が拘束される経営者様を多く見てきたので、この書面添付制度は本当にメリットが大きいなと感じています。
では、依頼する企業としてデメリットはないのかというと全くないというわけではありません。
書面添付を依頼するデメリットは?
- 書面添付を依頼するデメリット1
- まず一つ目は、書面添付には税理士と顧問先の信頼関係が通常の顧問契約以上に必要になります。
つまり、書面添付には前年の取引と比べて大きく変わったところや新規事業、設備投資など、税務署が気になるところを随時企業側から出して、それに対して適正だと理由を付けていく作業が必要になります。
いわゆる経営の透明化を求められることになりますので税理士との密な関係を築くことが不可欠になります。
一見堅苦しそうという方もいるかと思いますが、税理士と密に連携することで経営者様の数字や取引に対する意識が格段に上がりますので、書面添付をしている税理士から聞く限り、多くの企業で経営状況は上向いているという印象があるそうです。
- 書面添付を依頼するデメリット2
- そして、もう一つのデメリットになる部分としては顧問料の部分になります。
多くの税理士が書面添付をする際は通常の顧問料のオプションという位置づけにしています。
税理士事務所の報酬体系や企業の年商、サービス内容などで一概には言えませんが、おおよそ月の顧問料に5,000円~20,000円程度の上乗せというところが多いです。しかし、これもそもそもの報酬体系が相場に比べてかなり安いということもありますので、やってみたら周りの顧問料とそんなに変わらないということもあります。
安心が得られるなら安いもの
先にも挙げたような税務調査の対応コスト、低金利の資金調達、経営状況の適正把握などそれ相応のメリットもありますので、税理士にしっかり見てもらって、しっかり経営状況を把握して、それなりの費用を支払うということですので、経営者様にとっては全くデメリットに感じないということもあるかと思います。
- これから企業や会社設立する経営者の方
- 今まで税理士との関わりが薄かった企業の方
- せっかく深い付き合いをしているのに書面添付までは提案してもらっていなかった方
- 税務調査で毎回痛い目にあっているという方
などは、一度書面添付に対応した税理士とお付き合いするのもひとつの選択肢としてもたれるとよいかと思います。
対応してくれる事務所はまだ少ない!?
ただし、これはまだ制度として確立していると言うほどには普及しておらず、書面添付をすることで税理士にとっては事務作業が増えて重い責任義務も発生するため、導入に至っているところはまだ少なく、対応できる事務所も限られています。
多くの税理士事務所は書面添付制度を実験段階のものと考えて様子見しているのが現状ですが、税理士紹介タックスナイトでは東京、大阪、横浜、名古屋、京都、神戸や福岡などの都市部を中心に、書面添付に対応している税理士をご紹介しています。
その他の地域もまずは一度お気軽にお問い合わせいただければと思います。