相続はプラスの財産についても、マイナスの財産についても起こります。つまり、亡くなった夫が1000万円の借金を抱えていた場合、その借金は相続の対象となるのです。
しかし、いくら夫のことといえども、妻としては1000万円の借金など抱えたくないでしょう。また亡くなった夫の子や両親としても、借金は抱えたくないはずです。
そのようなときに行うのが「相続放棄」です。今回は、相続放棄について、効果とメリットを紹介します。
相続放棄の効果
相続放棄を行うと、以下の効果を得ることができます。
最初から相続人ではなかったことになる
夫が亡くなった場合に、妻が相続放棄をすると、妻と夫の間には相続に関する関係がなかったものになるのです。その結果、妻は夫の資産も借金も相続することができなくなります。
このような相続放棄は、一般的に被相続人に借金があるときに行います。相続放棄をすることで、被相続人の借金を相続人が支払う必要がなくなるのです。
相続放棄のメリット
以下では、相続放棄のメリットについてみていきましょう。
借金を支払う必要がなくなる
相続放棄の最も大きなメリットは、被相続人の借金を支払う必要がなくなるということです。
被相続人に借金がある場合に、相続人が単純承認という形で相続を行うと、その借金を相続人が支払わなければならなくなります。それを回避する手段が、相続放棄です。
財産を特定の人物に集中させることができる
相続放棄は、被相続人が残した財産を特定の人物に相続させるときにも使われます。
例えば、長年酒蔵を営んできた父がなくなり、息子である3人が相続人であった場合を例としてあげましょう。その際、生前の父が所有していた酒蔵の土地建物は、3人の息子に均等に相続されます。
しかし、酒蔵を継ぐのは長男と決まっており、次男と三男はすでに別の会社で働いていた場合、酒蔵の土地建物をすべて長男に相続させたいと考える場合があります。そのようなときに、次男と三男が相続放棄をするのです。その結果、酒蔵の土地建物はすべて長男のものとなります。
同様に、父の財産をめぐり、兄弟間で争いが起きている場合、遺産争いから抜けるために相続放棄が使われる場合もあります。
場合によっては相続放棄が効果的なことがありますので、相談が必要だとお思いの方は税理士紹介タックスナイトまでご連絡ください。相続に強い税理士をご紹介させていただきます。