相続:「農地等の相続における納税猶予」について

税理士コラム:税 相続 農地 特例

農地は特殊な土地であり、通常の土地とは評価の方法が異なります。

相続によって農地を取得した者に対し農地の評価額に基づき相続税が課税された際に、相続した農地を売却しなければ相続税が支払えないというケースがあります。

農地を売却することによって農地が分散してしまったり、農業を続けられなくなるという事態になることを防止し、農業後継者を確保する観点から一定の要件を満たす場合に相続によって農地を取得した者に対する相続税等の納税を猶予する税制上の特例措置があります。

今回はこの農地等の相続税等の納税猶予制度についてご紹介していきたいと思います。

1:農地の納税猶予の特例とは

農地の納税猶予の特例とは、一定の要件を満たし、税務上の手続きをすることによって相続税の納税が一定額猶予されるという制度です。

農業を営んでいた被相続人あるいは、自らはその所有する農地等で農業を営んでいないもののその農地等について「特定貸付け」等に該当する一定の貸付けをすることによってその貸付けをした農地等につき農業を継続して営んでいるとみなされる被相続人から相続した相続人で、相続税の申告期限(相続人が自己のために相続の開始したことを知ったときから10カ月)までにその農地等で農業経営を開始し、その後、引き続き当該農業経営を行うと認められるとして農業委員会の証明を受けた人(農業相続人)が引き続き農業を営む、或いは特定貸付けを行う場合にに要件が満たされることとなります。

納税が猶予される税額は、「その取得した農地等の評価額 - それよりかなり低い農業投資価格による評価額の残額に対応する相続税額」であって、農業相続人が死亡する日等一定の納税猶予期限まで納税が猶予される制度です。※農業投資価格とは、農地として(宅地等に転用しないで)売買される場合に通常取引された価格のことを言います。

2:農地等の相続税の納税猶予特例によって猶予された相続税の免除制度

農業相続人が死亡した場合または相続税の申告期限の後20年間農業等を継続して営んだ場合、或いは農地の全部を農業後継者に一括して生前贈与し、その贈与税について納税猶予の特例を受ける場合には、納税猶予された相続税が免除されます。

相続税の納税猶予特例の適用を受けて農業を引き継いだからには、少なくとも20年間は農業をやめるわけにはいかないという点にご注意ください。

3:農地等の納税猶予特例の具体的な計算方法

農地の納税猶予特例で相続税が猶予される額の計算方法は農業投資価格を超える評価額となっているので、農地投資価格がポイントとなります。

例えば、通常の相続税評価をすると3億円になる甲土地は、農地であって農業を営んでいることから納税猶予特例の要件を満たしており、国税庁が定めている農業投資価格が2,000万円であるとすれば、農業投資価格を超える相続税評価額の分については相続税が猶予されますので、3億円-2,000万円=2億8,000万円分の評価額が納税猶予の対象になります。

農業投資価格は比較的低く定められていますので、農地等に関する相続税は実質的にゼロに近い額になることがあります。なお農地以外の財産がある場合には、農地以外の相続財の合計額と農業投資価格を合算して相続税を計算します。


農地等に関する相続税の納税猶予特例はたいへん大きな節税効果のある制度ですが、継続して農業を営むことが条件となり、あくまでも相続税の納税が猶予されているのだということに注意して慎重に適用の判断することが大切です。

農地の相続を予定している方や、農地の納税猶予の特例を検討しているという方は、どうぞ税理士紹介タックスナイトまでご相談くださいませ。農地の相続に強い税理士をご紹介させていただきます。

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