相続:生前贈与をする際の4つの注意点

税理士コラム:税 相続 相続税 生前贈与

生前贈与をする際の注意点について紹介します。

年間110万円までの贈与をする

贈与税が非課税となるのは年間110万円までです。そのため、生前贈与により相続税を節税する場合は年間110万円の贈与を毎年繰り返すのが最も簡単であり、節税効果が高くなります。

この方法で節税を目指す場合は早い段階から計画的に贈与を始める必要があります。たとえ30年間贈与を続けても、3,300万円しか相続人となる人に贈与することができません。相続財産が1億円を超えるような場合は、そのすべてについて相続税をなくすのは難しくなります。

贈与契約書を作成する

近親者間における贈与は契約書を作成せずに入金だけで行われることが多くなっています。

しかし、相続税の節税を目的とする場合は、必ず贈与契約書を作成しましょう。そうすることで税務調査の際に贈与の実態を契約書を用いて証明することができます。契約書がなく、現金を手渡しで贈与した場合だと後から贈与の実態を証明することができなくなるリスクがあります。

税務調査において贈与とみなされなかったものについては、相続税が課税される恐れがあります。そうすると、こつこつと繰り返してきた相続税対策の贈与が意味のないものになってしまいます。

金銭の管理を贈与相手に任せる

一定の金額を贈与した際は、その金銭の管理を贈与した相手に任せることにも注意してください。親が子に贈与する場合、金銭を子の口座に入金したものの管理は親が行っているという場合が少なくありません。

この場合、実質的には贈与がなかったとみなされる恐れがあります。贈与をする際は、贈与した財産についての管理・処分する権限も贈与相手に渡すことに注意する必要があるのです。

遺産分割のトラブルに注意する

贈与は特定の相手を選んで行うことができます。例えば、三人の子がいる場合に、そのうちの1人にのみ年間110万円を贈与することも可能となります。

しかし、不公平な扱いは多くの場合、遺産分割時にトラブルを起こします。金銭が絡んだトラブルは尾を引き、親族関係を破壊する恐れがあります。

そのため、生前贈与をする際は、後のトラブルを回避する形で行う必要があります。相続税を回避するためには、妻およびすべての子に平等に年間110万円を贈与するのが最も効果的です。相続人の負担を軽減するために相続税対策をするのですから、後のトラブルのことまで考慮した上で生前贈与を活用しましょう。


生前贈与をする際はいくつかの注意点があります。これらを守り、適切な形の生前贈与を利用して相続税対策を行うことが大切です。そうすることで、相続人の負担が軽減され、あなたの財産をより多く相続人に残すことができます。

SNSで情報を共有する

初めて税理士をお探しの方、税理士の変更を検討されている方は、下記窓口よりお問い合わせください。