相続:遺産分割協議書とは

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遺産分割協議書とはどんなもの?

遺産分割協議書とは、複数人で相続した財産の分け方をまとめた書面のことです。

この財産の分け方は、話し合い(遺産分割協議)によって決められます。

遺産分割協議が必要になる場合というのは、遺言や法律によるだけでは遺産の分け方が定まらない時なので、話し合いの際にも行き違いなどのトラブルや心情的な確執が生じやすくなります。

そこで、話し合って決めた内容に誤解がないかどうかを確認し、後からの蒸し返しなどを防ぐために、協議内容を文書にしておくことが必要となるのです。

遺産分割協議書に記載しておくべき内容

遺産分割協議書には、決まった形式はありません。パソコンでも手書きでも大丈夫です。

ただし入れておかなければならない内容があるため、以下でご説明します。

①相続人と被相続人

誰が相続する者で、誰が相続される者なのかを漏らさず記載する必要があります。

遺産分割協議が有効なものと認められるためには、全ての相続人の合意が不可欠ですので、全員がきちんと遺産の分け方に合意した旨を示すためにも、相続人全員を特定した記載が必要なのです。

相続人と被相続人を特定するには、氏名・住所・本籍・生年月日・(被相続人との)続柄などを記載します。

このとき氏名と住所は、住民票ないし印鑑証明書に書かれている通りに記載します。

被相続人の死亡日、つまり相続が開始された日も記載しましょう。

これは主に、遺産の放棄や遺産が少なかった場合の請求権、相続税との兼ね合いで、時効が関係してくるためです。

②署名と押印

署名については、自筆(自署)とするのが適切です。できれば住所も手書きのほうがいいでしょう。

押印については、実印(市町村役場で登録した印鑑)を用います。

これら署名と押印は、相続人全員が行わなければなりません。たとえ遺産を相続しない者であっても、相続しないという意思を示すために署名・押印が必要です。

ただし、相続欠格者と相続放棄者については最初から相続人ではないため(民法891条・939条)、署名・押印は不要です。

③財産

どの財産を誰がどのように相続するのかを、具体的かつ漏らさずに記載する必要があります。

相続の対象となる財産には、大きく分けて動産、不動産、債権(債務)があります。

・動産 食器や時計といったものは誰が何を相続するのか区別して記載します。自動車は登録証によって正確に特定する必要があります。
・不動産 登記簿謄本や権利証によって正確に特定します。土地については所在だけではなく地番まで、建物については所在に加え家屋番号も記載します。
・債権(債務) 特に問題となるのが預貯金です。これは銀行名、支店名、口座番号、残高を書くことで特定します。

④その他

遺産分割に条件が付された場合には、その条件も記載しておく必要があります。

たとえば相続すべき債務があり、分割方法を相続人間で取り決めた場合、誰がいくらを支払うのかといった額や分け方を書きます。

また共有分割(数名の相続人で財産を共有する方法)の場合の持ち分や、代償分割(相続分を超えて相続した者が他の相続人に金銭を支払う方法)の場合の金額や支払条件、支払期限についても記載しておかねばなりません。


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