相続において遺言執行者とはどういった役割を持つ者なのか、今回ご紹介します。
遺言執行者とは
亡くなった方(被相続人)の最終的な意思表示である遺言は、そのままでは実現されません。
財産の管理にせよ処分にせよ、何らかの手続きが必要となります。
そうした遺言の内容を実現するための一切の事務手続きを行えるのが、遺言執行者です。
遺言執行者を選任する意味
遺言執行者は、絶対に選任しなければならないものではありません。
遺言執行者を選んでおかなかったからといって、遺言が無効になるわけではないのです。
それにもかかわらず遺言執行者を選任するのは、遺言内容の確実な実現を期してのことです。
被相続人自身が遺言の発効を確認することは不可能なので、安心感を得るためにも遺言執行者を選んでおくのです。
また、相続人以外の第三者へ遺贈登記をする際に、遺言執行者を選任しておくことで、手続きが楽になるといった利点もあります。
これは名義変更のための登記義務者が、相続人全員から遺言執行者のみで足りるようになるためです。
遺言執行者は、遺言の内容を実現するために必要な手続きをする人であり、遺産相続をスムーズにするため選任されます。
遺言の執行は容易なものではなく複雑性のあるものです。手続きを行う役場や金融機関のことや、登記の際に必要となる資料や流れなど、個人では難解な面があります。
相続にて事前に遺言執行者を選任して進めることを検討されている際には、早めの専門家とのご相談をおすすめします。