相続_相続時精算課税制度を利用した失敗例

税理士コラム:税 相続 相続税 相続時精算課税制度

事例概要

被相続人甲は、生前に相続時精算課税制度を利用して、子の乙に対し、甲の所有土地であるA土地を贈与(贈与時の評価額5000万円)しました。

その3年後に甲は死亡し相続が開始しました。なおA土地の相続時の評価額は3500万円です。

相続財産の評価の基準時

相続税法は、相続開始時における被相続人の財産が相続人に移転することに着目して課税する税であることから、相続税の計算の基礎となる相続財産の評価の基準時は、相続開始時です。

本事例では、仮に、甲が乙に贈与しなかったとすると、A土地の相続税の評価は相続時の評価額である3500万円となります。

相続時精算制度

相続時精算制度とは、贈与者が60歳以上で受贈者が20歳以上である場合に、受贈者一人当たり2500万円までの贈与については贈与税を課さないこととし、贈与者について相続が発生したときに、贈与された財産を相続税の計算の基礎となる相続財産に算入して相続税を計算する制度です(なお、贈与税を支払っておれば、当該贈与税は相続税額から贈与税控除として控除されます。)

相続時精算制度は、あくまでも被相続人の生前の贈与時の財産を相続財産に加算するものです。そうすると、相続時精算制度に係る贈与の財産評価の基準時は、贈与時となります。

本件事例では、被相続人甲の相続が発生した時点で、甲が生前乙に対し贈与したA土地は、全て相続財産として加算されることになります。

そして、相続税時精算課税の適用によって、加算されるA土地の評価額は贈与時の5000万円となります。


本例では、贈与時よりも相続時の方がA土地の価格が下がってしまったために甲から乙に相続させるよりも高額な評価額で相続税の計算の基礎となる創造九財産額を計算せざる得なくなりました。

このようになった一因として贈与時の地価の見通しが甘かったこともあるかもしれません。相続時精算制度は、2500万円まで贈与税については非課税とする魅力的な制度でありますが、結局は相続税の計算の基礎とされてしまいます。しかも、財産評価の基準時が贈与時となっておりますので、昨今のような地価が右肩下がりの局面では、相続時精算課税の適用は慎重になった方が良いかもしれません。

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