新型コロナウイルス対策による中小企業の固定資産税減免

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新型コロナウイルス感染症のわが国経済への影響が深刻化しているなかで、政府は企業の資金繰りの急速な悪化を防ぐために、数々の緊急対策を打ち出しています。
助成金の支給や融資の拡充などと並ぶ柱の1つが税金の減免や納税猶予制度ですが、そのうち業績が赤字であっても支払わなければならない固定資産税について、業績が大きく悪化している中小企業を対象として、免除を含めて軽減措置を講じることが決まりました。
今回は新型コロナウイルス対策による中小企業の固定資産税減免についてご紹介していきたいと思います。

新型コロナウイルスの影響による売上減の中小企業の固定資産税・都市計画税減免

政府は4月7日、新型コロナウイルス感染症対策で緊急事態宣言を行い、同時に緊急経済対策と2020年度補正予算案をまとめ、閣議決定しました。予算額は16兆8057億円、事業規模は108兆円。企業活動を管轄する経済産業省の予算額が8兆3193億円。中小企業に200万円、フリーランスなど個人事業者に100万円の給料金の他、無利子・無担保猶予制度が盛り込まれました。

売上減の中小企業向け固定資産税と都市計画税を減免し、売上の前年同月比2割以上減が2か月続けば、全事業者を対象に、無担保かつ延滞税のない納税猶予制度も行われます。

税制上の措置として中小企業が保有するすべての設備や建物などの固定資産税と都市計画税が減免されます。2~10月までの任意の3か月間の売上高の前年同期比減少率が30%以上50%未満の場合は2分の1、50%以上の場合は全額が免除されます。2月以降、前年同月比20%以上収入が減少した全事業者に対し、無担保かつ延滞税なしで納税が猶予されます。これは法人税や消費税、固定資産税など基本的にすべての税が対象になります。

納付金については「持続化給料金」と題して2兆3176億円を確保しています。対象となるのは資本金10億円以下の法人とフリーランスを含む個人事業者などで、新型コロナウイルスの影響で売上が前年同月比50%以上減少している者。給付額の計算は、前年の総売上から、前年同月比でマイナス50%以上の最も落ち込んだ月間売上に12をかけた数値を引いた差額。この計算で、法人には200万円、個人事業者には100万円を上限として支払われます。事務局を民間に委託し、オンライン申請をすることできるようにすることで、申請から2週間での支払いを目指しています。

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新型コロナウイルス対策による固定資産税の減免 その2

減免する業種を限定せず、条件となる売上高の減少率は今後詰める。21年度分を減免し、20年度分は納税猶予とする。固定資産税・都市計画税地方税で
あるため、地方自治体の減収分を国が補う考えです。

固定資産税は、企業が自社の事務所や工場などの土地建物を持つ場合に課税されます。これらの資産が所在する市区町村に支払う地方税で、毎年1月1日に固定資産税評価額に1.4%の標準税率をかけて計算され、別途都市計画税0,3%が賦課されて、計1,7%になることもあります。これを年4回に分けて納付するのですが、法人税などと異なりたとえ赤字であっても固定資産税がある限り、支払わなければなりません。

そのため今回のような事態で業績が大きく落ち込んだ場合には、事業者にとって一層重い負担になります。今回の緊急経済対策にこのほか「法人税の還付」などの措置も盛り込まれます。すなわち、法人が災害により、棚卸資産や固定資産に被害を受けた場合に、その金額の一部を過年度に繰り戻してすでに支払った法人税の還付を請求することができる「災害損失欠損金の還付」という制度などにより建材やイベント商品を廃棄したり、マスクや消毒液を用意したりして損失が出た場合なども対象とすると伝えられています。

◎固定資産税評価額

固定資産税の算出に用いられる独自の基準で、総務大臣が定めた固定資産評価基準を参考に、市町村長が決定します。土地の公的価格や建物の時価のおよそ70%程度の価格に設定されていると言われており、3年に1度見直しが行われます。

ここまで明らかにされている新型コロナウイルスに関する政府の経済対策のうち主な施策は、
イ、法人税・消費税の納税猶予、=売上高が3割以上減少した企業を対象に、1年間実間される方向です。
ロ、固定資産税・都市計画税の減免
ハ、災害時の法人税の還付制度の新型コロナウイルスへの適用
ということになります。

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