関税の仕組みについて

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関税という言葉はよく耳にするけれども、それは何を目的としているのか、どのような仕組みになっているのかなどは、普段知る機会はなかなかありません。
しかし、これから貿易関係の仕事を始めようと考えている、もしくは興味がある人にとっては、関税のことを知ることで、貿易取引についてより理解が深まります。
今回は、関税の仕組みについてご紹介していきたいと思います。

1、関税とは何か

関税は、歴史的には古代都市国家における手数料に始まり、内国関税、国境関税というような変遷を経てきましたが、今日では一般に「輸入品に課される税」として定義されています。
関税は、他の租税と同様、その収入は国庫収入となります。かつては、国家の財源として重要な位置を占めていました。国家間の経済交流が活発化し貨幣経済が浸透するに伴い、国家の財政規模が巨大になり、国家の徴収体制が整備されるにつれて、財源調達手段としての関税の意義は相対的に小さくなっていますが、厳しい財政事情の下でこれを適正に確保することは重要となっています。
関税の種類や税率などは法律や条約で定められ、無税のもの以外は必ず支払わなければなりません。

2、関税の目的

関税の最大の目的は、安く輸入できる外国の商品ばかり購入するのを抑えて国内の商品や産業を守り保護することにあります。すなわち関税が課せられると、その分だけコストが増加し、国産品に対して輸入品の競争力が低下することから、関税の国内産業保護という機能が生まれます。現在では、この産業保護が重要な関税の機能となっています。

3、関税の仕組み

⑴関税の種類

①基本税率=すべての輸入品に対する基本的な税率です。マストでかかる税金になります。
②確定税率=関係前暫定措置法に定められている税率で、一定期間に輸入される特定品目が対象になります。

③特恵税率・特別特恵税率=開発途上国や特定の地域が原産地である輸入品について適用されます。貿易機関(WTO)の加盟国を原産地としたものや、FTA(自由貿易協定)、EPA(関係の削減する経済連携協定)において2国間協定を結んだ国からの輸入品に適用されます。

⑵関係率表

日本の関係率については、関係定率法などに定められています。国際的には国際統一商品分類(HS)があり、国際貿易となるすべての商品が網羅されている6桁の数字で示される項目があり、5025号から構成され、21部、92類1,220項にまとめられています。日本でも現在国際統一商品分類(HS)を適用しています。税率は原産地や種類、素材、加工の有無などにより大きく変わります。適用される税率には優先順位があり、特恵税率、協定税率、暫定税率、基本税率となります。

⑶関係率の形態

①無税品と有税品
無税品は全体の約35%。主な無税品は、鉄鉱石、羊毛、綿花、写真用フィルム、ゴムタイヤ、機械類、コーヒー豆などです。
②関係率の形態
・従価税
日本において最も一般的な形態です。メリットとしては、負担が輸入品の価格に比例していることや、輸入品の価格変動に対して税額も変化しインフレに適応できる点です。デメリットとしては、輸入品の適正価格を把握するのが難しい点や、輸入品の価格が安くなるほど額も低くなってしまう点があります。

・従量税
輸入品の個数、容積、重量などの数量を基準としたものです。価格の安い高いは税率に影響しないのが特徴です。税額を簡単に算定できる方法ですが、物価変動があった場合に、負担の不均衡などが起こるといったデメリットがあります。

・混合税
従価税と重量税を混合させた方法で、従価・従量選択税と従価・従量併用税があります。選択税は一つの商品の従価税と重量税で税額の高い方を選択します(一部の品目については低い方)。課税価格が高いと従価税が、低い場合は重量税が適用されるという仕組みです。併用性は従価税と重量税を同時にかける方法です。

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