新型コロナの感染拡大が広がり続ける今、私たちの暮らしは大きく様変わりしてしまいました。感染を少しでも抑制しようと消費者は外出の自粛を余儀なくされ、それによって事業者の売上も大きく下がっています。
そんな中、事業の継続のために様々な助成、補助、給付が行われています。ところで「補助金・助成金・給付金」の違いをご存知でしょうか?今回はこの三つの違いをわかりやすくご紹介いたします。
まずは補助金、助成金、給付金のそれぞれの特徴を知ろう
資金が少しでもあれば安心はできないかもしれませんが、少しの間はしのぐことができますよね。
そのためにも補助金、助成金、給付金のそれぞれの特徴をご紹介します。
補助金とは国の政策目標を達成する事業者に対するもの
まずは補助金についてですね。補助金というのは国が出した政策目標を実現するために、政策目標に合った事業を行う事業者に交付するお金のことですね。例えば道路を整備しようとなれば建設業などが受けられます。
ただし補助金を受けるのはそう簡単なことではありません。なぜならば補助金は税金が財源なので応募した全ての事業者に対して出されるものではなく、予算を決めて件数も決めて公募されたら応募が殺到します。
応募すると厳しい審査を受け交付が仮に決定すると、その後もその経過や使用した経費についての報告が義務づけられています。さらに審査が通ってすぐに支給されるものではなく、事業が終わった後で支払われます。
しかも全ての費用が払われるのではなく一部にしかなりません。補助金の申請を通りやすくするために「認定支援機関」のサポートを受けると通りやすくなると言います。
代表的な補助金を3つ紹介!
一つ目は新型コロナで売上に影響を受けた事業者や個人事業主が受けることができる「持続化補助金(小規模事業者持続化補助金)」です。事業者だけではなく個人事業主に対しても対応しています。
本来は事業の販路開拓や店舗の改装などの一部費用負担をするための補助金ですが、現在はコロナ対応型枠が設けられています。
二つ目はIT導入補助金ですね。本来はITツールを導入するための費用の一部を補助するためのものですが、コロナによってテレワークをするための整備をする補助金としても利用されているようです。
三つめはものづくり補助金というものです。これは商品開発、サービス開発、生産プロセス開発などの生産性の向上のための投資の補助金です。こちらもコロナの特別枠が設けられています。
助成金とは事業者支援のためのもの
助成金は国・自治体が事業者支援のために交付しているお金のことです。助成金は雇用に関するものが多く、例えば雇用を増やすためや人材育成をするための支援金や、労働環境改善などのための支援金として使われます。
他にも研究開発のための資金確保のために利用するケースもあるようです。補助金と比べると申請も簡単で条件も厳しくないのが特徴です。唯一厳しいと感じるのは「厚生労働省」の助成金は原則として「社会保険に加入していること」です。
支給されるのは後払いです。これは補助金と同じですね。支給される金額も全部ではなく一部のみが支給されます。申請をする時には「社会保険労務士」に依頼すると良いでしょう。
代表的な助成金を2つ紹介!
一つ目は新型コロナの影響を受けた事業者に対しての「雇用調整助成金」ですね。これはコロナによって事業が悪化していても、雇用を維持する場合に支給されるお金です。
例えば「休業手当」「教育訓練」「出向」に伴う出費に対して通常であれば1/2または2/3の補助が出ます。ただしコロナが理由の場合は全額が補助の対象となります。
二つ目は働き方改革推進支援助成金です。例えばオフィスの整備や今ならコロナによる在宅ワークのための機械の導入や規則変更費用などの補助として最大で3/4の助成を受けられます。
給付金とは条件を満たしている事業者・個人に対するもの
給付金というのは申請した人が支給の条件を満たしていれば、どんな人でも支給を受けることができるお金です。国や自治体などから支給されるお金ですね。対象となるのは事業者だけではなく個人もです。
個人で言えば10万円の特別定額給付金が記憶に新しいのではないでしょうか。また、事業者向けの持続化給付金も給付金の一つですね。補助金も助成金も申請が通る条件が厳しいですが、給付金は比較的簡単に受けられます。
ただしいずれも条件を満たしているということが重要なポイントです。条件を満たしていないのに申請して受給することはできません。可能かもしれませんが罰則を受けることになるでしょう。
補助金、助成金、給付金を不正に受けると厳しい罰則が待っている!
それぞれの内容を見てみると、全く異なるものであることがわかりましたね。でもこの3つの国からのお金には共通点があります。それが「不正受給」に対する罰則が厳しいという点です。
不正受給がわかると基礎されて詐欺罪に問われることもありますし、補助金の不正受給の場合は年10.95%の加算金、さらに官公庁ホームページ内に事業者名が掲載されることもあります。
皆の税金で賄われているこれらのお金は大事に使われなくてはならないのですね。