繁忙期と閑散期の資金の動きを踏まえた資金計画を構築 [観光業（沖縄県那覇市）：年商5,500万円]

沖縄県那覇市で観光業を営む企業様より、「繁忙期は資金に余裕があるが、閑散期になると資金繰りに不安を感じる」というご相談をいただきました。

売上の季節変動が大きく、年間を通じた資金管理が課題となっていた状況でした。

繁忙期と閑散期の差が大きく、資金管理に不安があった

観光シーズンには多くの利用客を迎えて売上が大きく伸びる一方、オフシーズンになると売上が落ち込むという、典型的な季節変動型の事業を展開していました。

繁忙期には資金に余裕があり、「この調子なら問題ない」と感じることも多かったそうですが閑散期に入ると状況は一変し、主に次のような課題が見えてきました。

• 繁忙期に入金が集中する一方、閑散期の資金繰りが読めない
• 人件費や固定費は年間を通じて発生する
• 繁忙期の感覚のまま支出してしまい、後から不安になる
• 税金や賞与の支払時期と売上の谷が重なることがある
• 年間を通じた資金の見通しが立てられていない

観光業では季節要因による売上変動は避けられません。そのため単月の数字だけで判断していると、繁忙期の安心感と閑散期の不安感の差が大きくなり、経営判断が不安定になりがちです。

季節変動を前提にした資金計画で、安心して事業を運営できる体制へ

観光業の資金繰りと季節変動を踏まえた計画づくりに強い税理士事務所をご紹介しました。売上の波をなくすのではなく、波を前提に備える支援を重視している税理士事務所でしたので、これまでの事例なども交えてどのような体制を作る事が望ましいかしっかりと相談を行っていただけました。

経験も十分だと感じ、顧問契約でお付き合いを始めることとなりました。税理士事務所はまず過去数年分の売上推移と支出状況を確認し、繁忙期と閑散期の資金の動きを整理し、次のような取り組みを進めました。

• 月別の売上・入金・支出を一覧化し、資金の動きを可視化
• 固定費と変動費を整理し、最低限必要な資金水準を明確化
• 繁忙期に確保すべき資金の目安を設定
• 閑散期に向けた資金の取り崩し計画を作成
• 税金や賞与など、まとまった支出の時期を織り込んだ計画を作成
• 月次で資金状況を確認し、計画との差をチェック

資金の可視化が出来たことで、「今どれくらい使ってよいか」「どこまで残すべきか」を明確に判断できるようになりました。

季節による売上変動を前向きに捉えられるようになり、年間を通じて落ち着いて事業に取り組めるようになったようです。繁忙期と閑散期を見据えた資金計画を持つことで、観光業特有の不安を大きく軽減することができました。

まとめ

観光業は季節変動が大きく、繁忙期と閑散期の差をどう乗り越えるかが経営の安定性を左右します。単月の売上だけを見ていると、安心と不安を繰り返す経営になりがちです。

季節変動を前提にした資金計画づくりの経験豊富な税理士事務所が体制作りを行ったことで、年間を通じた資金の見通しを持てるようになりました。

売上の波は避けられなくても、資金の不安は減らすことができます。専門家と連携し早い段階から資金計画を整えることで、観光業でも安心して事業を成長させていくことが可能になります。