![売上管理と利益管理を分けて把握できる体制を構築 [卸売業(埼玉県越谷市):年商7,500万円]](https://tax-knight.com/wordpress/wp-content/uploads/2025/12/case20250528.jpg)
埼玉県越谷市で卸売業を営む企業様より、「売上は把握しているものの、実際にどれだけ利益が残っているのか分かりにくい」というご相談をいただきました。取扱商品や取引先が増えており、売上管理と利益管理が混在してしまっている状況でした。
売上は見えているが、利益の実態がつかめていなかった
複数の商品を取り扱い、幅広い取引先と継続的な取引を行っていました。売上自体は安定しており月ごとの売上高も把握できていましたが、経営面ではある違和感を抱えていました。
それは「売上は伸びているのに、利益が思ったほど残らない」という点で、次のような状況が続いていました。
- 月次の売上高はすぐに把握できている
- どの商品がどれだけ利益を生んでいるか分からない
- 仕入価格や物流費の影響を十分に把握できていない
- 値引きや条件変更の判断が感覚的になっている
- 忙しさに追われ、利益確認が後回しになっている
卸売業では取引量が多く、単価や仕入条件の違いによって利益率が大きく変わります。「売上=成果」という意識が強く、利益管理まで十分に手が回っていませんでした。
「利益率の低い取引が増えても気づきにくい」「今後どの取引を伸ばすべきか判断できない」といった課題が表面化しており、このままでは事業規模が拡大するほど経営判断が難しくなると感じ、ご相談に至りました。
管理体制に強い税理士をご紹介し、売上と利益を分けて把握
管理体制の構築に強い税理士事務所をご紹介しました。この税理士事務所は、「売上」と「利益」を切り分けて考える支援を得意としており、管理体制をどのように改善できるかしっかりと相談を行っていただきました。
今よりも体制を強化できると感じていただき、顧問契約の後に税理士事務所で取引内容、商品構成、仕入条件を丁寧に整理し、次のような取り組みを進めました。
- 商品別・取引先別に売上と粗利を整理
- 仕入原価や付随費用の考え方を明確化
- 利益率を把握するための管理方法を構築
- 月次で売上と利益を確認できるレポートを作成
- 数字の変動要因を一緒に振り返る体制を整備
売上がある取引と利益を生んでいる取引を分けて考えられるようになりました。利益率の低い取引に早めに気づくことが出来、力を入れるべき商品や取引先が明確になったとお喜びいただきました。
まとめ
卸売業では売上規模が大きくなるほど、利益構造が見えにくくなりがちです。売上を把握しているだけでは、経営の実態を正確に捉えることはできません。
売上管理と利益管理を分けて把握できる体制づくりが出来たことで、数字に基づいた経営判断ができるようになりました。どの取引が利益につながっているのかを把握できたことは、大きな改善点です。
売上と利益を切り分けて考えることで、事業の方向性はより明確になります。専門家と連携し、管理体制を整えることが、卸売業における安定した成長への重要な一歩となります。
